【MTG】なぜ「黒は一人去った」のか?SOM~ISD期の激戦
「黒を葬る」特集にようこそ!
某所にて一時期話題になったネタ記事の冒頭部分
よくわからん、知らんといった方はこちらがわかりやすいのでどうぞ
一時期黒が不遇であったことを指すネタだったのですが
ISDの黒ってそんなに弱かったか? と思う方もいると思うので
当時黒民だった僕がわかる範囲で当時の黒の状況と
不遇といわれた理由について語ります
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イニストラード、黒の旅路
四肢切断される抹消者
四肢切断
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで
-5/-5の修正を受ける。
当時の黒を語るときに外すことの出来ないスペルのひとつ
黒の強みを示す要素であるクリーチャーの除去が
本来の色マナを支払う代わりにライフで支払うことのできる
φファイレクシアマナφという糞メカニズム画期的なシステムにより
どの色でもライフを4点払えば除去が撃てる! という
黒の特権が全色に割り振られていた状態
そのため、黒のカラーパイの一つだったはずの黒は除去耐性が消滅し
黒のアイデンティティーに危機が発生していた時期でした
ファイレクシアの祝福されし完成が他ならぬファイレクシアの呪文で死ぬ
黒に与えられたヒーローが黒自身で滅ぶという
実に黒らしい姿ではあるのですが
ゲーム的にはそうはいってられない
ちなみにマローも流石にライフであっさり代替コストがまかなえてしまうのは
もう少し慎重になるべきだったとコラムでも述べていますおのれマロー
イニストラードへ訪問、黒は……あれ?
背景世界では黒に属するゾンビや吸血鬼が圧倒しているイニストラードでしたが
実際のカード群で真っ先に活躍したのはトラフト、瞬唱、デルバーの
いわゆるイニストラード青の3大レガシーレベルの強カード
無論ヴェールのリリアナの強さも登場後にきちんと認識されていたのですが
当時はフラッシュバックがテーマということもあり
ハンデス能力がいまいち輝かなかったり不死持ちのクリーチャーのせいで
-2の除去でもなかなか自分を守れないと
前回記事で話題にしたソリンほどではないにしても苦戦していた場面が多かった
いや、ほんとにキツかった
闇の隆せ……あれ?
さてさて闇の隆盛
名前にあたわず、ここで黒は墓所這いというレガシー級のカードを手に入れます
イニストラードからそれなりに組んでみたーというデッキはあったものの
いまいち形になりきらなかった黒ゾンビデッキが
墓所這いとゲラルフの伝書使という高級パーツを得て生き返った瞬間
しかしながら……
Q:あれ?白の人間もつよくない?
A:弱い人間は滅びて強い人間が生き残ったから強いんだよ!!
ふざけんな!(迫真)
闇の隆盛のカードリストを眺めると
実際カードの大半が吸血鬼、ゾンビ、狼男側のイラストで
人間は虐げられているか一部の生き残りというフレーバーは満たしています
スレイベンの教会最高権力者のミケウスも
リリアナに蘇生させられてしっかり黒いクリーチャーになってますからね
ゾンビデッキは成立はするようになりましたが
当時のトップメタのケッシグ、デルバー、殻には今一歩という状態
十分な強さはあったのですが明確にメタに上り詰めるのは
まだパーツが足りない状態
黒に奇跡は無い
アヴァシンの帰還にて登場した下の環境でも活躍中のメカニズム【奇跡】
黒にはふさわしくないということで黒だけ貰えず
代わりに与えられたのが【単騎】
しかし、この【単騎】がイマイチだった
あなたがコントロールしているクリーチャーがその1体の時のみ
なんらかのメリットが得られる……というメカニズムなのですが
純粋にカードパワーに疑問があるものばかりでパッとせず
その上青にあった【単騎】の方がよっぽど強いというオマケつき
エターナル環境でも活躍している奇跡と比べると
黒へ与えられたものは流石に見劣りがしますね……
マロー「クールなデザインだろう?」
マローが高く評価していたゾンビの黙示録
闇の隆盛で出たこのカードの次のアヴァシンの帰還で登場したカードが……
なんで1マナ足して白にするとこうなる
クールな全体除去カードのアンチカード(しかも構築でも結果有り)が
さらっと登場したおかげで黒はネタ枠という声がつよく聞こえた時期でした
背景ストーリー(アヴァシンの復活と人間の隆盛)の関係上
黒に関わる軍勢に対するアンチカードが多めに刷られていましたが
いくらなんでもいじめすぎ。
プレリリースではリミテッド用の平地が足りなくなるという珍現象もあいまって
白の隆盛という言葉まで飛び出しました
そんなこんなで黒はイマイチ不遇のまま
イニストラードを去るのかと思われたアヴァシンの帰還
しかし……
黒の隆盛
ここに来て黒のゾンビデッキに希望が現れます
登場当初は 「なんでパワー0なんだよ」 といわれた血の芸術家
うっかり生き残るとすさまじいドレイン量をたたき出すことがわかり
墓所這いの復活ぶりやゲラルフの伝書使の不死からのライフロスもあいまって
ゾンビデッキが一気にメタに躍り出ます
同じく登場当初は選択権のあるカードは~の筆頭とされ
低評価だった殺戮の波がゾンビデッキに採用され結果をたたき出すなど
背景世界での天使らの隆盛に反して
黒のゾンビ達がとうとう躍進。
メタに食い込んだが、敵も多かった
ヴェリアナ、墓所這い、グリセルブランドなど
下の環境にも食い込むパワーカードを得ていた黒
しかし、当時もうひとつのトップメタだった青白デルバーのサイドから飛び出す
パージこと天界の粛清には最後の最後まで苦しみました
2マナのインスタントでパーマネントを追放
同じ対抗色対策カードの死の印と比べると圧倒的な範囲の広さ
なによりゾンビデッキにとってはどのパーマネントに飛ばされても致命的
その上瞬唱が倍プッシュしてくる
デルバーに対して優位といわれていたゾンビですが
当時を語る際には外せないデルバー側の強み
結論:隆盛はしてた、でも他も強すぎた
- 四肢切断によるカラーパイの崩壊
- 黒に奇跡は無いという“黒いじめ”
- 基本セット2012から続いていた黒はネタ枠という空気感
黒が一人去るときと言われていた原因はだいたいこの辺
傍から見ればちゃんと強いカードはあったのですが
黒いじめの空気が重なっていたのが悪かった。
当時スタンダードをガリガリ遊んでいた黒民の一人として
一人去るときについて語れること。
そんな黒がテーロスにて黒単信心という
完全一人勝ちトップメタになるのはまた別の話……
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